The Village : James Newton Howard featuring Hilary Hahn

ザ・ヴィレッジ  :  ジェームス・ニュートン・ハワード feat. ヒラリー・ハーン

Music by James Newton Howard

Violin : Hilary Hahn

 

Music Supervisor : Susan Jacobs

Score Producer : James Hill

Electronic Score Supervisor : James T. Hill

Conductor : Pete Anthony & Lucas Richman

Orchestra : Hollywood Studio Symphony

Concert Master, Violin : Endre Granat

Orchestration : Jeff Atmajian, Brad Dechter

 

Mixing, Recording Engineer : Shawn Murphy

Mastering : Dave Collins

 

Sound Director : Desirée Craig-Ramos

Music Contractor : Sandy De Crescent

Music Preparation : Mark Graham

Music Executive : Mitchell Leib

Phillipe Rombi

 

ハリウッド映画音楽界の巨匠の1人であるJames Newton Howard(ジェームス・ニュートン・ハワード)。

 

彼は、ここで取り上げる「The Village(ヴィレッジ)」の監督、M. Night Shyamalan(ナイト・シャマラン)の出世作「The Sixth Sense(シックス・センス)」以降、「Unbrakable(アンブレイカブル)」「Signs(サイン)」「Lady in the Water(レディ・イン・ザ・ウォーター)」「The Happening(ハプニング)」など全ての作品で音楽を手掛けていて、シャマランとハワードは蜜月の関係とも言えます。(シャマランの脚本のみの作品は別です)

 

 

 

この作品にはグラミー賞受賞の経歴もあるヴァイオリニスト、Hilary Hahn(ヒラリー・ハーン)がフィーチャーされていますが、彼女の演奏解釈によるこのアルバムへの貢献度は大きいと感じます。

 

ハーンの主旋律に対する表現力もさることながら、アンサンブルがとる主旋とその裏でのハーン単独のアルペジオによる旋律とのからみはなんともノスタルジーを感じさせ、その美しさに感嘆します。

彼女の起用を前提としたことから導かれた着想、作曲方針の勝利だと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偉大な演奏家がフィーチャーされたケースでは意図するしないに関わらず、その演奏の与えるインパクトが強くなるもの。

 

今や名演となっているJohn Williams(ジョン・ウィリアムズ)の「Schindler's List(シンドラーのリスト)」におけるItzhak Perlman(イザック・パールマン)のViolinの演奏では、メロディーがその物語の場面場面に強烈に印象付けられていますが、この「Village」でのハーンの演奏はまるで映像の一部であるかのように、終止「突き抜けない美徳」のようなものが漂っているのです。

前者の感情の揺さぶり方が「動的」であるとすれば、後者は「静的」であると言えるでしょうか。

 

 

ハーンがfilmscoreに参加したものは今のところこの「Village」だけであり、当然ハーンの純クラシック作品では聴くことの出来ないアンビエンスがこの作品のハーンのviolinには施されていて、そういう意味においても大変興味深い作品となっています。

 

ハワードの「引きの美学」(アンブレイカブルのライナーノーツ、賀来卓人氏のハワードに対しての表現を引用)が、ヒラリー・ハーンの演奏解釈により芸術的領域まで磨き上げられた「The Village」は、彼のキャリアの中でも特に美しいアルバムです。

 

 

4年後に手掛けた「Defiance(ディファイアンス)」(2008)ではこちらもクラシックヴァイオリンの大家、Joshua Bell(ジョシュア・ベル)をフィーチャーしています。物語が「シンドラーのリスト」と同じ時代背景・状況のうえに描かれており、音楽的にも先に述べた「動的」手法をとっていて、良い作品ではありますが「シンドラーのリスト」のパールマンの演奏を連想させるものとなっています。

 

 

 

Hans Zimmerの項で、クリストファー・ノーラン監督が「The Drak Knight(ダークナイト)」の音楽を手掛けたジマーに関して「昨今のアクション大作映画の予告編で、彼らの仕事を参考にしていないものは見たことがない」と語ったと述べましたがその彼らとは、ジマーともう1人、共同で「The Dark Knight」を手掛けたJames Newton Howardのことを指しています。(シリーズ第一作「Batman Begins」も同様に2人の共作)

 

 

彼はHans Zimmerなどと共に、近年のハリウッド映画音楽のトレンドを築き上げてきた作曲家の1人ですが、映画の音楽を手掛けるようになる以前には、POPSの世界でそのキャリアをスタートさせています。

 

キーボーディストとして、カーリー・サイモンダイアナ・ロスエルトン・ジョンなどのセッション、ツアーに参加し、作・編曲家としてチャカ・カーンアース・ウィンド・アンド・ファイアーTOTOロッド・スチュワートなどのアルバムに関わっています。

映画の世界へは、演奏者として数多くの映画音楽のレコーディングに関わったことがきっかけだそうです。

作曲による初の映画仕事は「Head Office」という喜劇映画で、ハワードは「初めは映画の仕事に何の期待もしていなかった」と語っています。(アンブレイカブルのライナーノーツのデータによる)

 

以後「Major League(メジャー・リーグ)」「Pretty Woman(プリティ・ウーマン)」「Dying Young(愛の選択)」「Alive(生きてこそ)」「The Fugitive(逃亡者)」他、数々の作品を手掛けるようになり、それらの成功により名声を得ていく事になるのです。

 

 

 

 

 

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